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2014 年度 実施状況報告書

X線位相イメージング法を用いた岩石中の部分溶融メルトの高温下その場観察

研究課題

研究課題/領域番号 25800295
研究機関広島大学

研究代表者

佐藤 友子  広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (80553106)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードX線位相イメージング
研究実績の概要

本研究の目的は、X線位相イメージング法を岩石試料に適用し、岩石の融解現象の高温下その場・三次元時間分解観察を可能にすることで、部分溶融したメルトの挙動を明らかにすることである。今年度は、主に、昨年度実施した位相イメージングによる岩石の撮像実験の結果の詳細な解析を実施した。その結果、投影像から三次元像を再構成する際に、位相シフトを検出するために利用している回折格子に劣化部位が存在することによる像の欠け、試料に照射される放射光の強度の時間変化、検出素子(カメラ)の画素欠け・像のずれ、等々に起因すると推測されるアーティファクト(ノイズ)が大きく無視できないことが明らかになった。縞走査法によって得られる吸収像・位相シフト像・ビジビリティコントラスト像のうち、アーティファクトは、特に、吸収像と位相シフト像に大きく影響していた。しかし、ビジビリティコントラスト像のシグナルは非常に明瞭であり、ビジビリティコントラスト像による部分溶融メルトの観察は十分可能であると期待される。また、溶融した岩石のその場観察を可能にするため、X線パスを遮らないようなハロゲンヒータを用いた輻射による加熱装置の設計を行った。ヒーター材と断熱材を兼ねるカーボンを試料の周囲に配置した際に撮像結果に影響が出ないかどうかについての検討も行った。さらに、極小角散乱に起因するビジビリティコントラストについての理解を深めるため、密閉容器中の試料についての小角散乱実験を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

詳細な解析の結果、アーティファクトが存在してもビジビリティコントラスト像による岩石の部分溶融メルトの観察は可能であると分かった。また、加熱装置の設計も進行している。

今後の研究の推進方策

加熱装置の制作を進め、天然の岩石あるいは鉱物の焼結体を部分溶融させた試料の測定を実施して、ビジビリティコントラスト像から部分溶融メルトの存在形態を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

加熱装置の設計を変更した結果、当初の想定より少し安価となったため。

次年度使用額の使用計画

少額なので、今後の加熱実験のための消耗品費に充当する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Enhanced plasticity of silica glass at high pressure2015

    • 著者名/発表者名
      D. Wakabayashi, N. Funamori, and T. Sato
    • 雑誌名

      Physical Review B

      巻: 91 ページ: 014106

    • DOI

      10.1103/PhysRevB.91.014106

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Muonium in stishovite: Implications for the possible existence of neutral atomic hydrogen in the Earth’s deep mantle2015

    • 著者名/発表者名
      N. Funamori, K. M. Kojima, D. Wakabayashi, T. Sato, T. Taniguchi, N. Nishiyama, T. Irifune, D. Tomono, T. Matsuzaki, M. Miyazaki, M. Hiraishi, A. Koda, and R. Kadono
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 5 ページ: 8437

    • DOI

      10.1038/srep08437

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 高圧力下におけるSiO2ガラスの振る舞い2014

    • 著者名/発表者名
      佐藤友子
    • 雑誌名

      高圧力の科学と技術

      巻: 24 ページ: 155-161

  • [学会発表] BL-18Cにおける高圧下その場X線小角散乱測定2015

    • 著者名/発表者名
      佐藤友子、若林大佑、西田圭佑、亀卦川卓美、船守展正
    • 学会等名
      第3回物構研サイエンスフェスタ
    • 発表場所
      つくば国際会議場(茨城県つくば市竹園2-20-3)
    • 年月日
      2015-03-17 – 2015-03-17
  • [学会発表] 高圧下その場X線小角散乱による相転移中間状態の観察2014

    • 著者名/発表者名
      佐藤友子、若林大佑、西田圭佑、横井雄行、亀卦川卓美、船守展正
    • 学会等名
      第55回高圧討論会
    • 発表場所
      徳島大学常三島キャンパス共通講義棟4~6F(徳島市南常三島町2-1)
    • 年月日
      2014-11-23 – 2014-11-23
  • [学会発表] XFELを用いた石英の高歪速度圧縮下その場回折測定2014

    • 著者名/発表者名
      佐藤友子、関根利守、丹下慶範、尾崎典雅、松岡健之、近藤良彦、羽原英明、籔内俊毅、田中和夫、佐藤友哉、池谷正太郎、喜田美佳、小川剛史、兒玉了祐、奥地拓生、瀬戸雄介、 犬伏雄一、富樫格、矢橋牧名
    • 学会等名
      第55回高圧討論会
    • 発表場所
      徳島大学常三島キャンパス共通講義棟4~6F(徳島市南常三島町2-1)
    • 年月日
      2014-11-22 – 2014-11-22

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公開日: 2016-06-01  

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