研究課題
隕石中の鉄は,主に金属鉄,磁鉄鉱,硫化鉄および水酸化鉄の形態をとっている.隕石の種類によってその存在度が異なっており,隕石の始原的構成物に含まれる鉄は元々酸素を含まないため,鉄の酸化・硫化を様々な条件で実験的に再現し隕石と比較することは初期太陽系の酸化還元状態を知る手掛かりとなると考えられる.特に,CMコンドライトに見られるPCPや,Acfer094隕石から報告されているマグネタイトと硫化鉄のナノスケール混合物であるCOSは,鉄,硫黄,酸素で構成されており,酸化と硫化を知る上で重要な手掛かりを与える.本年度は,次の事項を遂行した.ソープションポンプに吸着させた18Oガスを用いて1400K程度まで加熱可能な酸素拡散実験装置の組み上げを完了した.実験試料の表面状態が反応の場として重要であるため,ワイヤーカット放電加工および振動式自動研磨機により金属試料の表面研磨を効率よく行う方法を開発した.実験試料表面に皮膜状にできる反応生成物を観察するため,研磨前に数種類のシアノアクリレートによる保護層の作成を試行し研磨方法を確立した.従来のSIMS装置を同位体顕微鏡化するためのチャンバー設計製作を行った.マーチソン隕石中の酸素同位体分布を再検討した所,酸素同位体組成はPCP中でのトチリナイトの多寡によって18O/16O比が決定されているわけではないことがわかった.
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)
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