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2013 年度 実施状況報告書

光共振器を利用した水素負イオン温度計測法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25800307
研究種目

若手研究(B)

研究機関核融合科学研究所

研究代表者

中野 治久  核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (90442524)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード水素負イオン / 水素負イオン温度 / Cavity Ringdown / イオン源
研究概要

研究は、核融合科学研究所の開発用水素負イオン源を用いて行った。
既存の水素負イオン密度を計測するためのCavity Ringdown(CRD)法で用いているNd:YAGレーザー(1064 nm)の入射光学系からレーザーを分岐して、水素負イオン温度計測用のレーザー入射光学系を構築した。これにより、本研究の条件である、水素負イオン密度と温度を同時計測可能な光学系となった。また、水素負イオン温度計測に、より高いレーザーパルスエネルギーが必要となる。これを実現するために、密度計測系の光検出器をavalanche photodiodeにして検出感度を上げた。これにより、元のレーザーパルスエネルギーの最大95 %以上を温度計測に使用可能となった。なお、温度計測用の検出信号のレーザーパルスエネルギー依存性を調べるために、レーザー光学系上に可変型Beam Attenuator配置した。
温度計測のためには光共振器内のレーザー径をなるべく大きくする必要がある。光共振器の安定性を考慮しつつ、大きな曲率半径を持つミラーおよび出口用に平坦な面を持つミラーを選択した。また、光共振器用ミラーには高反射率が必要である一方、温度計測用の光共振器内はにはなるべく多くの光子を入れる必要がある。このために、光共振器入口ミラーには密度計測用光共振器ミラーに比べて低い反射率のものを採用し、出口ミラーには密度計測用と同程度の高い反射率のミラーを採用した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Nd:YAGレーザーの入射光学系の設計、機器購入、構築を行い、水素負イオン密度計測と同時に水素負イオン温度計測法の開発ができる環境ができた。水素負イオン温度計測用の光共振器ミラーについて、最適なミラーセットを見つけるために、理想的な条件を仮定した計算をした。この結果を元に既製品の中から数種類のミラーを選択し、購入した。しかし、水素負イオン源実験のマシンタイムの都合上、プラズマを用いた実験を遂行する事ができなかった。

今後の研究の推進方策

本研究最終年度となる2年目は、1年目に構築したレーザー入射光系および水素負イオン温度計測用光共振器ミラーを用いたプラズマ実験を2年目の前半に行う。これにより、初期的な問題を解決するとともに、最適な水素負イオン温度の絶対値の計測精度および空間精度が得られる計測条件を見出す。この計測条件には独自仕様の光共振器ミラーが必要になり、長納期が予想される。2年目後半において、最適な計測条件のもと、水素負イオン温度の評価値と理論予想値を比較し、水素負イオン温度計測値の妥当性を確認すると共に、水素負イオン温度計測法を確立する。

次年度の研究費の使用計画

当初、購入を予定していた光共振器用ミラーマウントについて、まずは簡易型を考案し、これを作成した。また、水素負イオン温度計測の光共振器用ミラーについて、計画当初より低価格で販売しているメーカが見つかった。このため、次年度使用額が生じた。
次年度使用額分は、研究の進捗に応じて、当初予定していた光共振器用ミラーマウントの購入を予定している。また、特別注文となり高額になる事が予想される、水素負イオン温度計測に最適な光共振器用ミラーの購入にも充てる。翌年度分は当初計画通り、使用予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] H- Density Profile Parallel to Plasma Grid in H- Source for Neutral Beam2013

    • 著者名/発表者名
      Nakano, H., Tsumori, K., Kisaki, M., Shibuya, M., Ikeda, K., Nagaoka, K., Osakabe, M., Kaneko, O., Asano, E., Kondo, T., Sato, M., Sekiguchi, H., Komada, S., and Takeiri, Y.
    • 雑誌名

      Annual Report of National Institute for Fusion Science

      巻: April 2012 - March 2013 ページ: 201

  • [学会発表] 波長変調レーザー吸収分光法による水素負イオ ン源内の水素原子温度計測2013

    • 著者名/発表者名
      中野治久, 西山修輔, 後藤基志, 津守克嘉, 木崎雅志, 池田勝則, 渋谷真之, 永岡賢一, 長壁正樹, 浅野英児, 近藤友紀, 佐藤守, 関口温朗, 竹入康彦, 金子修, 佐々木浩一
    • 学会等名
      プラズマ・核融合学会第30回年会
    • 発表場所
      東京工業大学大岡山キャンパス、東京
    • 年月日
      20131203-20131206
  • [学会発表] H- Density Behavior for Positive and Negative Extraction and Bias Voltages2013

    • 著者名/発表者名
      Haruhisa Nakano, Katsuyoshi Tsumori, Masashi Kisaki, Masayuki Shibuya, Katsunori Ikeda, Kenichi Nagaoka, Masaki Osakabe, Osamu Kaneko, Eiji Asano, Tomoaki Kondo, Mamoru Sato, Haruro Sekiguchi, Seiji Komada, and Yasuhiko Takeiri
    • 学会等名
      The 15th International Conference of Ion Source
    • 発表場所
      Makuhari Messe International Convention Complex, Chiba, Japan
    • 年月日
      20130909-20130913

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公開日: 2015-05-28  

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