ミセルや二分子膜といった界面活性剤によって水中に構成される集合体内で起こる光誘起電子移動(酸化還元)反応に関する基礎研究を行った。ミセル界面に3種類の分子を用いた2段階電子移動系を構築し、分子拡散に基づく長距離・長寿命電荷分離状態の形成に成功した。また、二分子膜カプセル界面において長寿命電荷分離状態を形成する系を見出した。この系では200 mT程度の磁場印加で電荷分離状態の過渡濃度が倍増する巨大な磁場効果が見出された。これらの成果は生体膜における電子移動機構の理解や、安価な界面活性剤を用いた光・磁気機能性材料の開発において有用な知見を与えると考えられる。
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