有機半導体薄膜の機能性の理解に重要な、電子励起、緩和のダイナミクスを高精度で計測するため、時間分解光電子分光を、高繰り返しフェムト秒真空紫外パルスをプローブ光として計測するシステムを開発した。 高効率波長変換のために、真空紫外光発生の前段階である紫外パルスの時間幅を、分散補償光学系により、70フェムト秒に圧縮した。このパルスによりフラーレン単分子膜の時間分解光電子分光を行った。その結果、光励起直後に生成した励起子が60フェムト秒後に電荷分離し、フリーキャリアとなった電子が近傍のフラーレンの最低非占有軌道を介して拡散する超高速現象を捕らえることに成功した。
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