本研究は有機化学の基本単位である炭素に着目し、炭素原子およびベンゼン環をテンプレートとする貨幣金属の配列と集積について検討した。 炭素原子を中心とするカチオン性金(I)六核クラスターにおける貨幣金属混合クラスターの形成とカルベン配位子を有する金六核クラスターを構築を達成した。次に、ホウ素との金属交換反応を用いた1,2-金(I)二置換ベンゼンの一般性の高い合成法を確立し、反応における配位子の効果を明らかとした。この方法を進展させることで、水素が全て金に置き換わった金(I)六置換ベンゼンへの展開が可能となる。さらに金(I)二置換ベンゼン上への貨幣金属のさらなる集積について検討した。
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