ZrCuSiAs型LaZnAsOに対し、酸素イオンの水素アニオン置換による電子ドーピングの効果を調べた。水素置換の上限は20-25%程度であり、仕込み水素置換量20%から25%の間で絶縁体から金属状態へ転移した。さらに、Mn-H共置換を行ったLaZn1-xMnxAsO1-xHxを合成したところ、ごく弱い強磁性のシグナルが見られた。強磁性を示す LaMnAsO1-xHxについて磁気測定、紫外光電子分光測定および電子状態計算を行ったところ、水素置換による反強磁性絶縁体-強磁性金属転移は、電子ドーピングにより遍歴状態になったMn3dバンドの電子間の直接的な相互作用によるものであることが示唆された。
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