研究課題
若手研究(B)
本研究は申請者が見出したポリフェニルアセチレン膜の光環化反応による超分子自立膜の調製法をさらに展開させ、これまでに例のない刺激応答性超分子自立膜の創製とその応用を検討することを目的としている。 この目的を達成するため、超分子自立膜の調製に用いるらせんポリマー膜(前駆体ポリマー)に刺激応答性基の導入を検討している。具体的には、これまで前駆体ポリマーの側鎖置換基Rに長鎖アルキル基(ドデシル基)を用いていたが、新たに側鎖置換基Rの構造を下記の1、2のように設計し、それに対応するモノマーの合成を行った。1. 1,4,7-トリオキサウンデシル基などPEO鎖を置換したモノマーを合成した。これらのモノマーの重合を行った結果、いずれのモノマーも40~90%程度の収率でポリマーが得られた。2. 刺激応答性ポリマーとして知られているオキシエチレン鎖を有するポリビニルエーテルを有するマクロモノマーの合成を検討した結果、オキシエチレン鎖を有するビニルエーテルのリビングカチオン重合を行い、停止剤にフェニル4-エチニルベンジルアルコールを用いることでフェニルアセチレンを有するポリビニルエーテルマクロモノマーの前段階の化合物を合成できた。
3: やや遅れている
ポリビニルエーテル末端へのエチニル基の導入方法を検討していたが、予想外に反応が進まなかったため、新たな合成ルートを探索する必要があった。このため達成目標よりやや遅れた。
合成したポリマーの超分子化の検討を行っていく。また、マクロモノマーの合成を確立し超分子中へ刺激応答性ポリマーを導入する。さらに、この合成法を基に刺激応答性ポリマーの種類を検討する。
モノマーの合成ルートが完全に確立しなかったため、原料ポリマーを大量合成しなかったので試薬の購入費が少なくなった。今年度に原料ポリマーを大量合成するため適切に使用する。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)
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