本研究では電子ドナーと電子アクセプターを縮環させた分子を新規に開発し、これを基に有機薄膜太陽電池のためのポリマーを合成した。ジチエノナフトチアジアゾール(DTNT)とドナー性のビチオフェンを縮合させたポリマーではポリマー主鎖に非局在化したHOMOからチアジアゾール部位に局在したLUMOへのCT吸収が見られ長波長側に吸収帯が拡張された。一方、DTNTあるいはジチエノベンゾキノキサリンとアクセプター性のジケトピロロピロールを縮合させたポリマーでは吸収末端が900nmを超え、HOMO、LUMOエネルギーが太陽電池として働き得る下限となるポリマーを得ることが出来た。
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