本研究では,マルチシグナリングカチオンセンサーとしてジラジカル金属錯体の設計・合成・機能評価を行い,新しいセンサーとしての分子設計指針を獲得することを目指して検討を行った.まず,溶液中でセンサーとして機能させるために必須となる速度論的安定性を付与するために,配位子をプロピレン基のリンカーで連結してジラジカル金属錯体を合成した.その結果,速度論的安定性を示す半減期は1000倍以上長くなり,高い速度論的安定性を有するジラジカル金属錯体の設計指針を獲得することに成功した.また,シクロデキストリンへの包接を用いるジラジカル金属錯体の近赤外吸収スイッチングを見出した.
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