カーボンナノドットそのものの反応性に着目した、亜硝酸イオンの発光検出系を構築した。亜硝酸イオンとの反応により、芳香族ジアミンのテトラゾニウムイオン化とそれに続く分解によるビスアリールラジカルの発生を利用し、CND 複合体形成により発光強度が減少することが分かった。この反応は亜硝酸イオンに特異的であるため、50 倍の妨害イオン共存下での亜硝酸イオンの検出が可能であった。CNDs の発光強度に対する、原料の元素組成の効果についても検討した。窒素や硫黄を含む原料から合成した CNDs は、発光量子収率が増大する傾向がみられ、グルタチオンから合成した CND の量子収率は 0.46 と見積もられた。
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