研究概要 |
「テロメラーゼの活性測定」検討のために、まず、テロメアの長さによる違いによって蛍光強度の違いを確認するための実験を行った。テロメア基質6塩基につき一ヶ所ずつピレン基を導入したものを用いる予定であったが、テロメア長により蛍光強度の違いを観測することが困難であった。合成段階でピレン基の導入が上手くいかなかったと思われる。 「タウタンパク及びAβの標識」及び「イメージング用長波長発光色素の開発」の検討のためには次の実験を行った。ビキサロマー(N,N,N’,N’-テトラキス(3-アミノプロピル)ブタン-1,4-ジアミンと2-(クロロメチル)オキシランが1 : 2.1 - 2.4 の比で架橋重合して得られたアミン機能性リン酸結合性のポリマー)をピレンスルホン酸で誘導体化した。UVランプ(356 nm)照射により、ビキサロマーの沈殿がピレン誘導体化され、更に沈殿し、凝集した状態になっていることでエキシマー蛍光と思われる黄緑色の蛍光を発していた。また、溶液中の未反応のピレンスルホン酸の蛍光強度が低下していることからも、ビキサロマーがピレン誘導体化されていることが確認できた。しかし、蛍光分光光度計にて測定したところ、誘導体は沈殿してしまっているため、かすかに分散している誘導体のみしか測定できず、定量的な分析が行えなかった。次に非イオン性3種、陽イオン性及び陰イオン性の分散剤を用いてその誘導体を溶液中に分散し測定を試みた。同様に良好な結果は得られなかった。そこで、基礎検討のためにポリアミン類を用いて、ピレン誘導体化した。誘導体はHPLCによる分離後、エキシマー蛍光検出され、感度・再現性及び再現性ともに良好であった。また、フッ素-フッ素相互作用を利用し、ポリアミン類にパーフルオロアルキル基を導入し、フルオラスカラムによる分離後、質量分析を行ったところ、良好に分析できた。
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