スフィンゴ糖脂質は細胞膜上にて水平凝集し、糖鎖の密集した「糖マイクロドメイン」を形成する。また、隣接細胞の糖マイクロドメイン同士の糖鎖-糖鎖間相互作用(CCIs)により、細胞接着が誘起される。しかしCCIsのメカニズムは未だ明らかとなっていない。先行研究例にてCCIsにある種のイオンが必須であるとの結果が示されているが、その理由も未解明である。本研究課題では、糖クラスターに対し、糖クラスター内部の当空間配置を鋭敏に検知するための分子プローブとしての錯体を導入した「糖修飾トリスビピリジン鉄錯体」を調製し、錯体由来のCDスペクトルの変化を元に、糖クラスター内部の糖鎖空間配置の変化を評価した。
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