研究課題
本研究ではユビキタス元素を用いた酸素発生触媒の創製に向けて、第一周期遷移金属化合物による触媒開発を行ってきた。その上で特に第一周期遷移金属が特異的に示す電荷不均化特性の制御を触媒設計の上で着目し、リチウム電池電極材料や熱電変換材料のような今まで触媒としては検討される機会がほとんどなかった材料を酸素発生触媒として用いて、高活性な触媒が得られることを見出した。具体的にはピロリン酸マンガン化合物を利用して酸素発生触媒を作製し、電極触媒として用いた場合に中性条件下において過電圧約100mV程度から酸素発生反応が進行することを明らかにし、各種マンガン酸化物よりも高い活性を示すことを見出した。さらにピロリン酸マンガンはほとんど光吸収を持たないことから、この特性を利用してピロリン酸マンガンと可視光応答可能な半導体光触媒を組み合わせることで可視光照射下において酸素発生反応を駆動できることを見出した。また、鉄酸化物を用いた酸素発生触媒の開発では分光電気化学的検討を行うことにより反応中間体を検出し、種々の検討からこの中間体の帰属を行った。そして、さらにこの反応中間体が通常では電荷不均化反応により不安定であることから、その安定化あるいは生成の促進をするための手法として、異種元素のドーピングや異種金属酸化物の鉄酸化物表面への修飾を行った場合に中間体の生成電位を負電位方向へとシフトさせるとともに酸素発生開始電位もシフトできることを明らかにした。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
Journal of Photchemistry and Photobiology B
巻: In Press ページ: In Press
10.1016/j.jphotobiol.2014.12.022
ECS Transactions
巻: 61 ページ: 35-41
10.1149/06122.0035ecst
http://www.ccn.yamanashi.ac.jp/~scesgroup/index.html