自己組織化してキラルな光学特性を発現する低分子集合体をポリマー中で構築させることによって、円偏光二色性や円偏光発光などの円偏光特性を有するポリマーフィルムの開発に成功した。このポリマーフィルムは、円偏光特性を発現するだけではなく、フィルムの加熱処理によってその特性を制御できることも確認した。 また、この光学特性の変化が、分子集合体の配向状態のわずかな変化によって生み出されることを、分光測定や透過型電子顕微鏡観察から明らかとし、固体ポリマー中での低分子集合体の形態観察や配向制御という、これまで研究が進められていなかった分野における新たな知見を見出した。
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