研究課題
若手研究(B)
本研究は申請者の高分子構造制御に関する研究成果に立脚し、申請者が独自に「メゾ・デコレーション(Meso-Deco)」と名付けた階層的構造デザインにより、結晶化とエントロピー弾性が共存する場合の複雑な熱-力学変換の制御可能性に注目して、スマートデバイスに適用しうるサーマル―メカニカル(TM)ゲル材料を開発する。具体的な研究項目は、(1)既存ゲルの合成条件を系統的に変えてMeso- Decoし、TMゲルの合成条件を見い出す、(2)モノマーの選定、高性能高分子微結晶、さらに機能団の導入でMeso-Decoし、TMゲル材料物性の多機能化する、(3)TMゲルの結晶・網目構造の温度変化を解析し、熱―力学変換制御を深化する、の3つである。本年度は水やエタノールなどの溶媒を使わない合成法で内部が均一で透明な形状記憶ゲルの開発に成功した。加熱/冷却によって結晶の熔解/結晶化(低弾性率/高弾性率)を繰り返すことができるため、SMGは変形した後冷却すればその形状をそのまま固定でき、また、網目構造のエントロピー弾性(元の形状に戻る力)によって、加熱すれば変形する前の元の形状に戻るという形状記憶特性に利用できる。開発した透明形状記憶ゲルを活用し、ソフトなゲル眼内レンズを開発している。また、結晶成分とアモルファス成分の材質や比率などを変えることにより、TMゲルの転移温度(動作温度)は60℃から43℃まで低くすることができた。さらに、約50%の含水率で高い透明性を持ちながら、生体軟骨より強く、大気圧の200倍以上の圧縮に耐えられる高強度TMゲルの開発にも成功した。
1: 当初の計画以上に進展している
本年度の研究計画(1)TMゲル材料の作動温度(転移温度)のコントロール、(2)TMゲル材料SMGの透明化、(3)TMゲル材料の機械特性の向上を全部達成した上、開発した透明な形状記憶TMゲルの実用化も検討し始めた。それの高透明性、形状記憶特性を活用し、ソフトなゲル眼内レンズへの応用を検討し始めた。
当初の計画通り(4)TMゲル材料熱―力学変換の科学原理の構築、(5)ボタンスイッチ化の検討、(6)TMゲル材料高速応答性と形状回復力の追求を行いながら、開発したスマートTMゲルの応用も検討する。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (22件) (うち査読あり 22件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (60件) (うち招待講演 4件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Advanced Materials Research
巻: 746 ページ: 325-329
10.4028/www.scientific.net/AMR.746.325
Proceedings of the 12th Asia Pacific Physics Conference (APPC12)
巻: 012047 ページ: 012047-1-5
10.7566/JPSCP.1.012047
巻: 012048 ページ: 012048-1-4
10.7566/JPSCP.1.012048
巻: 012042 ページ: 012042-1-4
10.7566/JPSCP.1.012042
巻: 012050 ページ: 012050-1-4
10.7566/JPSCP.1.012050
巻: 012049 ページ: 012049-1-4
10.7566/JPSCP.1.012049
巻: 014020 ページ: 014020-1-4
10.7566/JPSCP.1.014020
Proc. SPIE 9058, Behavior and Mechanics of Multifunctional Materials and Composites 2014, 90580C (9 March 2014)
巻: 9058 ページ: 90580C-1-6
doi: 10.1117/12.2046261
Proc. SPIE 9060, Nanosensors, Biosensors, and Info-Tech Sensors and Systems 2014, 90601C (16 April 2014)
巻: 9060 ページ: 90601C-1-7
10.1117/12.2045212
Proc. SPIE 9060, Nanosensors, Biosensors, and Info-Tech Sensors and Systems 2014, 90600M (16 April 2014)
巻: 9060 ページ: 90600M-1-5
10.1117/12.2045066
Proc. SPIE 9058, Behavior and Mechanics of Multifunctional Materials and Composites 2014, 90580G (9 March 2014)
巻: 9058 ページ: 90580G-1-6
10.1117/12.2044841
Proc. SPIE 9058, Behavior and Mechanics of Multifunctional Materials and Composites 2014, 90580D (9 March 2014)
巻: 9058 ページ: 90580D-1-6
10.1117/12.2045078
Proc. SPIE 9058, Behavior and Mechanics of Multifunctional Materials and Composites 2014, 90580A (9 March 2014)
巻: 9058 ページ: 90580A-1-6
10.1117/12.2045082
Proc. SPIE 9056, Electroactive Polymer Actuators and Devices (EAPAD) 2014, 90561K (8 March 2014)
巻: 9056 ページ: 90561K-1-6
10.1117/12.2044831
Journal of Solid Mechanics and Materials Engineering
巻: 7 ページ: 455-462
10.1299/jmmp.7.455
Materials Letters
巻: 108 ページ: 239-242
10.1016/j.matlet.2013.07.002
日本機械学会論文集A編,
巻: 79 ページ: 512-516
10.1299/kikaia.79.512
巻: 7 ページ: 163-168
10.1299/jmmp.7.163
巻: 7 ページ: 228-234
10.1299/jmmp.7.228
巻: 7 ページ: 224-227
10.1299/jmmp.7.224
巻: 7 ページ: 245-250
10.1299/jmmp.7.245
Polyfile
巻: 50 ページ: 34-37
http://yudb.kj.yamagata-u.ac.jp/html/100000547_ja.html