(1)TMゲルの合成に成功した。 TMゲルのDSC測定結果から2つ結晶の融解ピークが観察された。1つは43℃くらいの低温側のピークで,もう1つは134℃前後の高温側のピークである。つまり,TMゲルに2種の結晶が存在することが分かった。また、広角X線回折(WAXS)結果により,強度の高いシャープなピークが観察され,TMゲルは高い結晶性を有することが示された。TMゲルの構造については、化学架橋点から形成された3次元網目構造,物理架橋点となる結晶構造,さらに非晶部分が共存していることが推測された。 (2)応用例の一つとして、スマートなボタンスイッチの試作に成功した。 TMゲル材料の機能評価をするため、スマートなロック機構が付与されたゲルボタンスイッチユニットモデルを作成した。このユニットはカバー、ボタン、TMゲルディスク、ベースの4つパーツで構成されている。このボタンスイッチユニットモデルを用いて、実際に回路に組み込み、電球を点灯させる実証テストを行った。室温ではTMゲルが硬化しているため押すことができず電球が点灯しない。加熱時はTMゲルが軟化し押せるようになり電球が点灯した。TMゲルボタンスイッチは上手く動作し、実証テストに成功した。
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