本研究では、450℃以上の高温での熱処理を必要としない高結晶性酸化チタンメソポーラス薄膜を、リン酸塩含有グリセリン電解液中160℃でのアノード酸化という電気化学プロセスにより合成することを目的とした。アノード酸化の際に二電極系から三電極系にすることで、より精密に印加電圧の制御を行った。また動電位で合成することで、電解液の塩基性度が高いほど成膜速度が向上し、薄膜中に少量含まれるリン酸種が結晶化に寄与していることが明らかとなった。これらの知見をもとに、弱塩基性電解液中において20 V以上の高電位アノード酸化を行うことによって、結晶性が向上することを明らかにした。
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