本研究課題では、光化学反応を利用することによって超伝導特性を可逆に制御できるような材料を創出することを目的とした。 ホウ素ドープダイヤモンド (BDD) 表面の終端原子を変換することによって、臨界電流密度の可逆な制御を達成し、これは超伝導体積分率の変化に対応していることが磁化測定から明らかとなった。つまり、BDDの超伝導特性が表面に極めて敏感であることがわかった。 BDD表面にアゾベンゼン化合物を導入したAZ-BDDを作製したところ、光化学反応に伴った臨界電流密度の増幅率は55%であり、この値は先行研究の4倍に達した。これは、BDDが表面に敏感な超伝導特性を示すことに起因していると考えられる。
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