研究課題/領域番号 |
25820019
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
後藤 啓光 東京電機大学, 工学部, 准教授 (90389718)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 回動 / 放電加工 |
研究概要 |
本研究では、放電創成加工法とWEDG法の利点を併せ持つワイヤ放電ミーリング法を開発し、工具形状が変化しない形彫放電加工の実現を目指している。 本研究で提案する加工手法では先端が半球状のワイヤガイドを用い、ガイドに走行ワイヤを沿わせながら、ガイドを回動させることにより、ボールエンドミルを使用した場合と同様の形状加工を放電加工で実現することが出来る。またこの際、通常の放電加工では、電極の消耗により、加工形状に崩れが生じるが、本加工手法では走行ワイヤを電極とするため、電極形状の崩れが直接加工形状に影響を与えることが無く、電極の消耗を考慮する必要がないという特徴を有している。 本年度はワイヤガイドの製作、回動ワイヤガイド機構の検討、さらに作製した実験装置を用いた放電加工を実施した。ワイヤガイドは材質にジルコニアを使用し、先端部の直径が10㎜~3㎜の直径のガイドを各種製作した。また、回動ワイヤガイド機構は既存のモジュラー型ワイヤ放電加工機をベースに、ワイヤガイドを回動させる機構を追加して構築した。さらに作製したワイヤ放電ミーリング装置を使用し、亜鉛合金や、鋼材、さらに超硬合金に対する放電加工を実施した。なお、加工には市販のワイヤ放電加工用の硬質黄銅ワイヤ(φ0.3㎜)を使用した。 以上のように、ワイヤ放電ミーリング加工を実現できる加工装置を作製し、作製した加工機械が超硬合金など各種材料に対する放電加工に適用できることを確かめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ワイヤガイドの材質を検討し、放電加工が実施できる材質を用いて製作することが出来た。また、実験装置においても既存のモジュラー型ワイヤ放電加工機をベースとして新たな加工装置を製作し、実際に実験に使用することが出来ることを確かめることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
使用するワイヤ電極についてサイズ、材質の検討を行う予定である。なお、ワイヤガイドについても、材質、形状、サイズなどの検討や改良を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
所属機関の変更にともない、着任時の研究費が新たに配分された為。 翌年度分として請求した助成金は当初計画していた各種実験などに使用する。 また、繰越金は、これまで作製したガイドの形状、材質を再検討する為に使用する。当初予定していた一般的な金属材料やセラミックス材料の他、摩擦係数を抑えた特殊な材料についても検討する為に使用する。
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