|
本研究では、放電創成加工法とWEDG法の利点を併せ持つワイヤ放電ミーリング法を開発し、工具形状が変化しない形彫放電加工の実現を目指している。
本研究で提案する加工手法では先端が半球状のワイヤガイドを用い、ガイドに走行ワイヤを沿わせながら、ガイドを回動させることにより、ボールエンドミルを使用した場合と同様の形状加工を放電加工で実現することが出来る。またこの際、通常の放電加工では、電極の消耗により、加工形状に崩れが生じるが、本加工手法では走行ワイヤを電極とするため、電極形状の崩れが直接加工形状に影響を与えることが無く、電極の消耗を考慮する必要がないという特徴を有している。
平成２７年度は主に工具電極材料とワイヤガイドに関する研究を実施した。工具電極として使用するワイヤ電極材質として銅ワイヤの適用を試みた。黄銅ワイヤと比較しより軟質であるため、ワイヤガイドの先端の曲率半径が小さい場合においても良好な形状を保つことが出来るようになった。また、軟質銅ワイヤを用いた場合においても特に問題なく加工が継続することを確かめた。さらに加工に使用するガイド形状の再検討を行った。従来ではガイドの形状の制約により、特殊なシャンクを実験に使用していたが、汎用品のシャンクでも使用できるようにガイド形状の再検討を実施した。また、ガイド先端の形状を変更することで加工屑の排出性を向上させた。さらにガイド形状の再検討により、ガイド自体のコストも抑えることができた。
|
