傾斜プラネタリ加工とは,CFRPやチタン合金などの難削材に対して効果的に穴あけを行う加工である.工具の自転運動に加え,主軸を傾斜させることで偏心軸回りの公転運動を行い,2つの運動を組み合わせることで穴あけ加工を行う. 本研究ではまず,傾斜プラネタリ加工の幾何学的な切削モデルを構築し,切削工具の運動が加工穴表面に与える影響について考察した.次に,切削を多く担う切れ刃の位置をシミュレーションするプログラムを作成した.CFRP及びチタン合金を対象とした試作機を製作し,その試作機を用いて加工実験を行うことで傾斜プラネタリ加工の切削性を評価した結果,バリおよび剥離の無い良好な穴あけが可能となった.
|