研究課題/領域番号 |
25820024
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
岩村 幸治 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40332001)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 5軸加工機 / 自律分散型スケジューリング / マルチエージェント強化学習 |
研究概要 |
機械加工の分野で生産リードタイムを短縮するための方法として,5軸加工機による工程集約型の高能率生産が注目されている.本研究では,複数の種類の異なる5軸加工機およびジョブから構成される加工システムを対象として,マルチエージェント強化学習を用いた自律分散型のスケジューリングシステムの開発を行っている.このシステムでは,はじめに,各5軸加工機の仕様にカスタマイズされた5軸加工用CAMを用いて,加工可能なすべてのジョブのNCデータを作成しその加工時間を求める.次に,各5軸加工機におけるスケジュールを作成するのと同時に,各5軸加工機が実際に加工プロセスで使用するNCデータを決定する. 平成25年度は,研究代表者および大学院生1名により各工作機械メーカーから製造,販売されている5軸加工機および5軸加工機を用いて生産される加工部品の調査を行った.また,調査した結果に基づいて3DCADおよび5軸加工機用CAMソフトウェアを用いて,5軸加工機を用いて生産される加工部品のNCデータの作成および加工時間の算出を行った. また,マルチエージェント強化学習を用いた自律分散型スケジューリングシステムの開発を行うために,5軸加工機エージェントおよびジョブエージェントのモデル化を行った.ジョブエージェントは,3DCADおよびCAMソフトウェアで作成したNCデータおよび加工時間の情報を持つ. 平成25年度にモデル化した5軸加工機エージェントおよびジョブエージェントに,今後,マルチエージェント強化学習を適用し自律分散型スケジューリングシステムを開発することで,複数の5軸加工機を用いた多品種少量生産において,ジョブ全体の生産リードタイムを最小化するNCデータの決定とスケジュールの作成を行うことができる.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
5軸加工用CAMを用いたCADデータの作成および加工時間の算出に関して,対象とする5軸加工機および加工部品が少ないなどの若干の遅れはあるが,自律分散型スケジューリングシステムを開発するための5軸加工機エージェントおよびジョブエージェントのモデル化などの研究全体の進捗については,おおむね順調に進展している.
|
今後の研究の推進方策 |
今後は,5軸加工機エージェントおよびジョブエージェントにマルチエージェント強化学習を適用し,自律分散型スケジューリングシステムの開発を行う.具体的には,これまでの研究で提案した効用値に基づくスケジューリング手法を拡張し,5軸加工機エージェントおよびジョブエージェントが加工システムの状態に基づいて,適切なディスパッチングルールを選択することで,スケジュールの作成および加工で用いるNCデータの決定を行う手法を提案するとともに,提案手法を実現するためのソフトウェアを開発する.
|
次年度の研究費の使用計画 |
購入を予定していた5軸加工機用CAMについて,大学でライセンスを保有している3DCAMで代替したことが主な要因となり,当該年度の実支出額が減少した. 自律分散型スケジューリングシステムの開発および有効性を検証するための即応性の高いワークステーションおよび研究成果を国内外に公表するための論文投稿料,旅費などについて使用を予定している.
|