研究課題
トラクションドライブ変速機のパワーウェイトレシオ向上(小型化と高伝達動力の両立)のための設計法確立を最終目標として,トラクション油膜のせん断力によるローラ内部の応力変化や材料中の欠陥と介在物の存在等の影響因子を考慮した転がり疲労強度推定式を求め,設計段階でシミュレーションによりトラクションドライブの転がり疲労強度を評価することを目的とする.最終年度である本年は,昨年度に改造を終えた二円筒転がり疲労試験機による多数個の疲労試験の遂行を中心に行った.一年間の実験によって,試験ローラが5対損傷した.損傷点を目視観察したところ,損傷原因はシミュレーションで仮定している内部起点損傷である可能性が高かった.上記5点の実験データから,S-N曲線傾斜部の概略を得ることができた.ここまでの結果から転がり疲労強度を推定したところ,860MPaとなった.昨年度までに提案したシミュレーションの推定値は800MPaであり,現状での誤差8%という良い結果を得た.今後実験点数が増えるにしたがって,誤差はさらに縮小すると期待している.疲労強度のばらつきについては,実験回数が不足しており,評価できていない.助成期間終了後も実験を継続し,シミュレーションによるばらつきの推定精度も評価したい.
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日本機械学会北海道学生会第45回学生員卒業研究発表講演会講演論文集
巻: No.162-01 ページ: 122-123
巻: No.162-01 ページ: 124-125