本研究では、数値制御工作機械(NC工作機械)による精密部品加工を対象とした新しい追加工工程自動計画法の開発を目標としている。具体的には、切削抵抗および加工対象物の形状シミュレーション技術の開発と、これを用いて、仕上げ加工時に過大な切削抵抗発生の原因となる削り残し領域に対する追加工工程の自動計画アルゴリズムを実現することを目的としている。 平成26年度には、前年度の研究において作用トルクの最大値を導出する際に、切削抵抗予測値の正確さを担保するために必要になると判断された、工具送り速度の指令値からの変動の事前予測手法と、切削実験結果からの比切削抵抗値の高速な導出システムの開発をそれぞれ行った。 そして、これらを用いてボクセル形状表現において各ボクセル空間を工具が除去する際に作用したトルクの履歴情報を記録する手法を開発した。設定された値よりも大きな作用トルクが発生する工具経路上の通過位置の前後を対象として、25年度の研究において開発した姿勢変更手法、および26年度の研究で開発した干渉の生じない工具経路の設定手法を適用することにより、仕上げ加工時のポケット形状等に対する急激な作用力の増加を防止する工具経路計画システムの開発を行い、計算機実験による検証を行った。
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