研究課題
データ同化法は数値シミュレーションの不確定要因を計測値に基づき修正する方法であり,本研究ではリアルタイム性を要するデータ同化問題において,限られた計測点を有効に配置する手法を確立するために,スーパーコンピューターによる大規模高速流体解析と風洞実験を高速ネットワークでリアルタイム接続したデータ同化システムを構築し,リアルタイム最適計測の実現可能性を調べる実証実験を行った.平成27年度は,前年度に東北大学流体科学研究所の低乱熱伝達風洞を用いて行った実証実験において課題となった流れ解析および感度解析の計算コストに関して,縮約モデルによる高速化を行った.流体の支配方程式であるナビエ・ストークス方程式を,固有直交分解によって得られた流れ場依存の基底に射影(ガラーキン射影)して縮約モデルを得る方法が広く用いられているが,この手法は元の数値流体力学ソルバーの改変を必要とする,いわゆる,侵襲型の手法である.加えて,この手法で得られた縮約モデルには安定性に関する問題点が存在する.本研究では,Radial Basis Function (RBF)を用いた縮約モデルを採用することで,縮約モデルの汎用性・安定性を向上させた.さらに,RBF縮約モデルのアジョイントコードを開発し,流れ場の勾配情報を低コストで得る手法を構築した.また,縮約モデルの構築に必要な流体解析コードの高速化に関して,MPIライブラリを用いた並列計算における動的負荷分散機能を追加した.関連して,計測値と計算値の差に基づく格子細分化を実装した.
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 9件、 招待講演 1件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)
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