研究課題/領域番号 |
25820056
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
窪山 達也 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80578831)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 低温プラズマ / 着火 / 点火 / 希薄燃焼 / 希釈燃焼 |
研究概要 |
非平衡プラズマを利用した自着火制御に着目し,非平衡プラズマの放電パターン制御によりプラズマ内の化学種濃度を変化させ,予混合気の自着火時期を制御する技術を確立することを目的としている.非平衡プラズマの放電パターンが着火と火炎伝播燃焼に与える影響を明らかにするため,定容燃焼容器内の予混合気中に非平衡プラズマを放電し,生成されるO3濃度の計測,火炎伝播と自着火の高速度直接撮影およびシュリーレン撮影,放電の分光計測を行った.実験では,実燃焼容器内相当の高温・高圧場を実現するために,容器内に充填した予混合気をスパークプラグにより点火し,火炎伝播燃焼をさせる.伝播火炎が到達する前の未燃予混合気の自着火過程を観察することにより,高温高圧場における自着火特性に及ぼす低温プラズマの影響を調べた.実験により得られた知見を以下にまとめる. (1) 非平衡プラズマの放電パルス数が多いほど,また放電回数が一定のもとでは放電周期が低いほど生成されるO3濃度が高い.また,雰囲気圧力が低いほど,雰囲気酸素濃度が高いほど,生成O3濃度が高くなる. (2) 燃料を含む予混合気中に非平衡プラズマを放電した場合,空気雰囲気中で放電した場合に比べて,生成O3濃度が低くなる.燃料によりO3生成が抑制される,あるいは生成されたO3を燃料が消費することが示唆される. (3) 非平衡プラズマにより生成される化学種を調べるため,非平衡プラズマの発光スペクトルの分光計測を試みた.非平衡プラズマを放電しても,本実験で用いた光学系では,非平衡プラズマにより生成される化学種を特性し得るような特徴的なスペクトルは観察できなかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
低温プラズマ放電システムの構成と実機関の燃焼室内相当の高温・高圧雰囲気場を形成する手法を確立することに時間を要したため. また,低温プラズマ放電時に生成される化学種の分光計測が当初の予測よりも困難であったため.
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今後の研究の推進方策 |
分光計測の計測領域を拡大するなど,計測技術の確立を目指すとともに,燃焼の高速度直接撮影,シュリーレン撮影に加えて数値シミュレーションなどを取り入れることにより,研究の進捗を加速する予定である.
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