細胞内凍結の発生は細胞に致命的な凍結損傷を与えると考えられている.そこで我々は,細胞間結合の1つであるギャップ結合を介した物質輸送に着目し,この結合を阻害することによって細胞内凍結の伝播の抑制と凍結耐性の向上を図ることを試みた. 凍結実験および動画解析の結果から,我々が予想したとおり,ギャップ結合を可逆的阻害剤のヘプタノールで阻害することで,隣接する細胞へ細胞内凍結が伝播するパターンが変わり,細胞内凍結の細胞間伝播を抑制できることが明らかになった.しかしながら,ギャップ結合の働きを阻害した場合,細胞の生存率は期待に反して著しく低下する結果が得られた.
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