本研究の目的は,装着型歩行補助ロボットの最大歩行速度を向上するための制御アルゴリズムを開発するとともに,ユーザの意図に合わせて歩行速度と歩幅を調整するマン・マシンインタフェースを開発することである.制御アルゴリズムについては,短時間(0.2秒程度)で歩行パターンを最適化するアルゴリズムを開発した.健常者を被験者として歩行補助ロボットの実機試験を実施し,これまでの歩行パターンの最大速度(0.18 m/s)と比べて開発したアルゴリズムでは最大歩行速度が2倍に向上できた.また,同等の速度での消費電力を半分に抑えることができた.また,ユーザの意図する歩行速度と歩幅から開発したアルゴリズムによってオンラインで最適歩行パターンを生成・実行するシステムを開発した.健常者による動作試験を実施して,ユーザが歩幅や歩行速度を調整しながら歩行できることを確かめた.ユーザの意図に合わせる従来のインタフェースシステムでは一歩あたり4秒かかっていた.本研究で開発したシステムは一歩あたり2秒以内で連続的に歩行でき,歩行速度の大幅な改善を達成した.
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