研究課題/領域番号 |
25820087
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
永井 萌土 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00580557)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 単一細胞操作 / デジタル細胞操作ステーション / 電気浸透流 / 双方向制御型ポンプ / マイクロノズルアレイ |
研究概要 |
治療が難しく原因が未解明な疾患が存在し,その病因の解明や治療法の開発には高いニーズがある.このニーズに応えるには,生体の基本的な要素である細胞機能を理解し,生命現象を解明することが大きな手がかりになる.ここで生命現象を解明するツールとして,単一細胞レベルにて超並列(10の4乗個以上)の細胞を自動で操作するシステム”iCellStation”(intelligent CellStation)の開発を目標としている. 平成25年度は,電気浸透流を利用して,複数の単一細胞を同時に操作するシステムを開発した.マイクロノズルアレイと流路・電極を一体形成したマイクロデバイスを作製した.16本の各ノズルそれぞれに,独立した流路とポンプを形成し,単一ノズルでの流れの個別制御が可能である.またノズルとポンプは透明な材料から形成され,顕微鏡での透過観察ができるものである.搭載したポンプは電気的に操作できることから集積性に優れる利点がある.デバイスの作製後,作製したポンプ一体型マイクロノズルアレイを利用して,ポンプの特性評価と電気的な細胞操作を行った.ここで高い生存率での電気的な細胞操作を実現するため,DCバイアスAC電気浸透流による細胞操作手法を提案し,ポンプ流れの双方向制御を実現した.ポンプの流れの方向と大きさの制御は,電気信号を調整して達成できる.2方向の制御はDCバイアス電圧の正負の方向を変えることで,流速の制御はDCバイアス電圧とAC電圧の振幅を変えることで行った.このポンプ一体型マイクロノズルアレイを用いて,発生させる電気浸透流により,細胞をノズル内に吸引操作した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
システムの中核を成す「並列かつ独立に細胞を操作するためのマイクロデバイス」が作製できた.細胞操作用の各デバイスの作製を独立して進めており,今後はこれらデバイスのすり合わせと統合運用が必要である.
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今後の研究の推進方策 |
細胞操作用の各デバイスの作製は進んでおり,平成26年度はこれらデバイスの統合的な運用を進める.また各デバイスの単一細胞の操作性能を改善し,配置した細胞の評価を行う.これらの実施により,短時間かつ高い確率での並列単一細胞操作を実現する.
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