本研究では,駆動源をもたない対象物に対して駆動台の外力を加えることによる対象物の運動制御法の提案を行った.始めに,対象物を2次元モデルに限定し,対象物及び駆動台を包括した系のモデル化を行い,構築したモデルに基づいた対象物の傾斜角を目標値に制御する手法を提案し,シミュレーションにより提案手法の安定性・有効性を検証した.続いて,モデルを3次元対象物に拡張し,駆動台による3次元対象物の運動制御法の提案を行い,シミュレーションによる提案手法の検証を実施した.
提案したアルゴリズムの実験的検証を行うため,高速・高周波(1kHz)での動作が可能なロボットに200mm平方,5mm圧の台座を取り付ける事による駆動台システムを作成した.駆動台システムの台座表面には,摩擦条件の異なった数種類の部材を試行錯誤的に試し,モデルと近い物を選定した部材を設置した.制作した実験システムを用いた実験の結果,提案手法の有効性を示した.
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