本研究の目的は、高速かつ広域の電磁界計算を可能とする計算アルゴリズムを開発し、それを民間航空分野で発生する種々の問題に応用することにある。本研究は、広域計算を得意とするレイトレーシング法(RTM)を応用したアルゴリズムを開発した。建物や航空機を面で離散化し、送信点から受信点までの電波の光線探索方法を簡単化することにより計算時間の短縮を図った。計算手法を三次元解析まで拡張し、航空機からの散乱波解析、空港内のマルチパス解析等へ応用し、得られた数値結果と実験結果を比較してその精度を確認した。計算時間については伝搬環境に依存するが、通常の解析手法と比べて70~90%の計算時間を達成した。
|