本研究では,超臨界CO2流体中アニールによって生じるCu薄膜の凝集ならびに拡散挙動について調べた.Cuはトレンチパターンを有する基板上に直流マグネトロンスパッタリングを用いて堆積した.アニールを4種類の異なる雰囲気で実施し,Cu薄膜の挙動を観察,分析した.その結果,H2を添加した超臨界CO2流体雰囲気でアニールを施したとき,Cu薄膜の顕著な凝集が認められた.これはCu薄膜表面において同時に生じる酸化ならびに還元反応によってCuの拡散が促進されることが原因であると考えられる.また,超臨界流体中アニールにおけるCu薄膜の凝集は,下地層を適切に選定することによって抑制できることがわかった.
|