研究課題
本研究は,人間の立体知覚に矛盾しないリアルな3次元画像が得られる広視野角フルパララックス電子ホログラフィディスプレイの実現を目的としている.そのために,ディスプレイ表示材料として,磁性フォトニック決勝をベースとした4諧調(従来の2倍,リアルな3Dホログラム像を表示するのに必要最低の値)かつ,3D像の明るさやコントラストに影響する性能指数θ√(%T)が従来の17倍(透明磁性体単層膜の2倍程度)の材料を開発している.上記で開発する革新的性能を有するディスプレイ材料を用いた超高密度・超多画素・超光速のリアル3D電子ホログラフィディスプレイ(3D-MOSLM)を世界に先駆けて開発することを目標とする.初年度の成果として,YIG-MPC構造で8.6 mW/cm^2の532 nm光源で最終目標とするディスプレイのISO基準100 cd/m^2の輝度を持つ立体像再生を実現した.2年目の成果賭して,目標としていた(1)高い性能指数を持つMPC構造の作成と特性評価において,MPCの角度依存性の少ない構造を理論計算から設計し±15°内で輝度の変化が数%以下のMPCを設計した。(2)多諧調化に関しては熱磁気書き込み時のエネルギーを制御することで磁化反転の深さを制御することで理論上連続的に輝度を調整できるようにした.
2: おおむね順調に進展している
上述した通り,初年度および2年目の目標である(1)多諧調変調および(2)高性能指数を持つ透明磁性体材料の開発,(3)さらに高い性能指数を持つ磁性体材料の開発すべてを達成している.このため今年度の評価としてはおおむね順調に進展していると考えている.
今年度はこれまで開発した材料を用いた3D像の動画化を目標とする.これまでは熱磁気書き込みのパルスレーザおよびピクセルの位置を制御するステージにかかる負担が大きかった.具体的には,速度およびステージの駆動範囲である.今年度は光学系に工夫することで,既存のレーザおよびステージで30 fpsの動画を再生することを目的とする.
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (15件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)
Journal of the Magnetics Society of Japan
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