研究課題
ソース・ドレイン電極及び有機半導体層を印刷方式により形成した有機トランジスタを作製した。チャネル長4 μmという微細な印刷型有機トランジスタの作製に成功した。さらにその電気的特性として、駆動電圧20 V、移動度1.2 cm2/Vs、オンオフ比10の5乗以上という目標値を達成するような特性を得ることに成功した。前年度までのトランジスタ作製条件の最適化をさらに進展させることによって、上記の良好な特性を実現することができた。上記のトランジスタを集積化させ、インバータ回路を作製した。その動的特性から回路の応答速度を見積もったところ、8 kHzという値を得た。これは世界で報告されている印刷型有機集積回路の応答速度と比較しても極めて速い、良好な値である。さらにこの印刷方式によってさらに複雑な集積回路であるRS-フリップフロップの作製も行い、10 V駆動における良好な動作を実証した。上記印刷型有機集積回路作製技術にさらなる高機能を付与することをめざし、超薄型・超柔軟なフィルム基板の上に全印刷方式によって有機集積回路を作製することにも成功した。厚みわずか1 μmという非常に薄いフィルム上に作製された有機集積回路は全体の重さが2 g/m2という驚くべき軽量性を有している。この超軽量有機トランジスタはガラスや100 μm厚のフィルム基板上に作製した素子と同様の良好な電気的特性を有していることを確認した。また、半径140 μmのワイヤに巻き付けた状態でも、50%に押しつぶした状態でも良好に駆動することを実証した。以上で示された成果は、実生活のあらゆる場所・曲面に大面積・高性能な有機集積回路を実装可能であるということを示す重要な成果である。
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