酸化ガリウム膜の形成は,RFマグネトロンスパッタ装置を用いる.本装置は,スパッタ源を三機備えており,同時に3種類の原料を基板上に堆積することが可能である.さらに,水冷機能を有する基板ホルダーは,スパッタ中の基板温度上昇を抑制し,室温でのスパッタを可能としている.本装置を用いて,アモルファス酸化ガリウム薄膜の形成を試みる.ターゲットにはGa2O3を用い,堆積速度,堆積温度をパラメータとして,薄膜の結晶性をX線回折法および紫外分光光度計を用いて評価する.さらに,スパッタ源にスズなどの不純物を選択して設置することで,Ga2O3と不純物の同時堆積により,不純物添加を試みる.合わせて,エネルギーバンド構造を計算することで,ドナーおよびアクセプタとなる不純物を選択する.不純物添加後,プラスチックなど,フレキシブル基板上に酸化ガリウムを用いたトランジスタ構造を形成する.
|