最終年度の平成27年度では,初年および2年目の成果を元に,以下のような成果を上げた. 計画には無かった画像端問題の解決や新たな高速変換の提案のような派生的な成果も上げることができ,概ね良好な研究成果を発信でき,世の中に貢献できたと考えられる.
(1)より実用的な可逆変換の実現:初年および2年目に実現したDCT行列をベースとした重複変換(LT)のより実用的な構造をさらに発展させたものを提案した.また,2次元処理を考慮した非可分型リフティング構造も発展させた.前者は当該分野トップレターであるIEEE Signal Processing Lettersに,後者は当該分野トップジャーナルであるIEEE Transactions on Image Processingに掲載され,世界にその技術を発信した.
(2)その他の成果:本研究テーマの研究過程において,統合画像符号化の標準規格であるJPEG XR のための新たな高速変換を発見し,当該分野トップカンファレンスであるIEEE ICIPで発表した.また本研究テーマである可逆変換ではないが,方向性フィルタバンク(コサイン・サイン変調フィルタバンク)の画像端問題の解決とさらに高効率な変換を提案するに至り,国際会議ISCITおよびAPSIPA ASCで発表し,世界にその技術を発信した.
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