平成26年度の研究の実施を通じて,離散フーリエ変換行列を用いた完全相補系列系を用いた通信システムは,ハードウェアの実装が簡単になる特徴から複数のアンテナを搭載する多入力多出力システムとの相性が良いことを明らかにした.また,変調後の送信信号に信号配置点回転を加えると,完全な周波数ダイバーシチを実現でき,多入力多出力システムとの相乗効果が得られ,通信品質を向上できることを示した.
以上の事実より,離散フーリエ変換行列を用いた完全相補系列系を用いた通信システムは複数のアンテナを搭載する多入力多出力システムに適した通信方式であり,回路の簡素化以外にもダイバーシチ効果の向上,ドップラー周波数変移への頑丈など様々な優れた特性があることが明らかになった.
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