研究実績の概要 |
ハードディスク装置の高密度化を実現できるシングル(瓦)磁気記録に低密度パリティ検査(LDPC : low-density parity-check)符号を利用した繰返し復号による誤り訂正方式を適用してビット誤り率(BER : bit error rate)特性による評価を4テラビット平方インチの面記録密度を想定して行った。また, 二次元信号処理方式として, 複数の再生素子を有したアレイヘッドを適用し, 再生素子のトラック上の走査配置を変えて得られた複数の再生信号を二次元有限インパルスフィルタにより波形等化し, BERを求めることで評価した。その結果, 適切な走査位置に再生素子を配置することによって, 二次元等化器でトラック間干渉の影響を低減できBER特性が良くなることが明らかとなった。 また, ハードディスク装置の機械構造上問題となるヘッドスキューの影響を考慮して, その耐性についてBER特性を用いて評価を行った結果, 再生ヘッドを磁化パターンの信頼度に合うように回転させることで, 品質の良い再生信号を得ることが可能となり, 大きなヘッドスキューに対して, BER特性の劣化を防ぐ耐性を持たせることができることが明らかとなった。 これからの成果により, 今後, 現状の一次元の信号処理方式よりも二次元の信号処理方式を用いることで, より高密度な面記録密度においても良いBER特性を得られことが予想される。
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