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センサを搭載した車両を準備し，橋梁上を通過した際の車両振動のみを用いて，橋梁の健全性を迅速かつ低コストに評価する手法の開発を試みた．先行研究では，センサは一つである場合が多かったが，本研究では前輪と後輪にセンサを搭載することで，損傷感度が高い指標を見出した点に新規性がある．先ず，本指標が橋梁損傷に反応することを確認するため，数値シミュレーションを実施した．結果，本指標がさまざまな損傷に感度良く反応することが分かった．次に，実橋梁のトラス部材を破断させ，その前後で重量車を走行させる実験において得られた車両振動データを用いて，本指標が現実問題において，橋梁損傷を検出するのに利用可能であることを確認した．統計量が少ないため，偶然性が排除できなかったことから，模型実験により繰り返し走行実験も実施し，統計的妥当性があることも示した．課題として，橋梁損傷よりも路面凹凸の劣化進展が早い場合，指標の変化が橋梁損傷によるものか，路面劣化によるものかが判断できず，適用性が低下することが挙げられる．
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