研究課題/領域番号 |
25820216
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
吉本 憲正 山口大学, 理工学研究科, 助教 (00325242)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | メタンハイドレート / 熱 / 浸透 / 変形 / 二酸化炭素 |
研究概要 |
新たなエネルギー資源として,南海トラフに存在するメタンハイドレート(以下,MHと略す)の研究開発が進められている.既往の研究結果から,MHの生産開発では経済性の上で,減圧法の適用が想定されている.しかし,深海底には熱水噴出孔もあり,条件によっては,加熱法も適用の可能性がある.加えて,二酸化炭素をハイドレート化して生じる生成熱を利用した生産方法も加熱法の一つとして提案されている.そこで本研究では,実験的検討として,恒温高圧平面ひずみ試験機を用いて加熱法を想定した分解実験を行い,供試体の温度変化の観察,また,MHの分解による供試体の変形挙動を調べた.供試体下部のペデスタル内に熱源を設置し,下部から上部へ向けて加熱を実施した.その結果,浸透なしのペデスタルヒーターによる加熱のみでは温度上昇に限度があり,供試体の半分ほどまでしかMHの分解温度に達せず,浸透ありではその温度上昇が早まることを確認した.また,供試体の変形においては,加熱部に近い供試体下部からMHの分解により,徐々に変形が生じることが確認された.温度の時間変化との比較から変形は温度より遅れて生じていることも明らかとなった.また,供試体内に設置した4箇所の熱電対を利用し,MH生成時の温度変化を測定した.これは,二酸化炭素ハイドレートが生成される時の温度変化と同程度と考えられる.本研究において測定された温度変化は約2℃であり,加熱による温度上昇よりも低いものであるが,ハイドレート生成がされる供試体全体での温度上昇が認められたことから,二酸化炭素を適切に流入させることが出来れば,有用な生産手法になりうるといえる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ハイドレート生成時の温度変化については,メタンハイドレートを対象に砂の種類を変えて検討を行い,種類によらず約2℃全体的に温度上昇することが解明された.熱水圧入やハイドレート生成時の温度上昇を想定した加熱によるMHの分解実験においても,熱のみを加える検討や浸透との併用など条件を変えた検討をすでに実施しており,分解時の変形の様子などの評価へもつなげていることから,実験的検討は,計画以上に進展している.また,温度変化による地盤の変形を表現できるように,提案の構成モデルの高度化についても,達成できており,こちらも計画以上に進展していることから,上記の区分と判断している.
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今後の研究の推進方策 |
加熱法によるメタンハイドレートの分解実験について,試料や条件を変化させ,検討を進め,熱の伝達の仕方やそれによるMHの分解による地盤の変形挙動の評価などを実施し,どのような条件において効果的に分解が生じるか,また,変形が進展するかを解明していく.また,構成モデルの高度化は実施したので,高度化したモデルをFEMへ組み込み,加熱によるMHの分解と地盤の変形に関して,解析的検討を加える.
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次年度の研究費の使用計画 |
ハイドレート生成時の温度上昇が想定していた結果よりも小さかったこと,熱水圧入を行う環境を鑑みた結果,温度上昇がそれ程,高くなりにくいことから,実験装置に組み込むヒーターに費用がかからなかったため,使用計画に差異が生じた. 差異が生じた使用額に関しては,想定温度域を広げることを想定し,ヒーターの追加設置を考えている.また,高度化した構成モデルを組み込んだFEMシミュレーション用のPCの購入などへの使用を計画している.
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