人工衛星による観測を用いて、洪水などの水災害を検知し、防災に役立てるための研究を行った。衛星観測をもとに降水強度を推定した衛星降水マップを、日本の気象庁の雨量計による観測値を用いて検証した結果、20mm/hを境に弱い雨の推定は良好だが、強い雨の推定には改善の余地があることが示された。修正を行った衛星降水マップを用いて、大雨特別警報に相当する50年に一度程度の豪雨を検知できることが示された。そのほか、衛星観測による浸水域の検出や、九州地方を対象に高空間分解能で水資源のシミュレーションを行った。これらの成果を、今後は世界の他地域に応用し、水災害の減災に貢献することが十分期待できる。
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