当初研究計画から若干内容を拡大して研究を実施した。全球水資源モデルH08の水文パラメータ同定プログラムの開発を行った。このプログラムは世界の河川に対して、上流から河口にかけてH08の4つの水文パラメータをモンテカルロ法により自動的にキャリブレーションする。この結果、乾燥地を含む世界全体の流出量の過去再現性が従来に比べて飛躍的に高まった。また、海水淡水化に関するH08のサブモデルを新たに開発した。このサブモデルは海水淡水化が行われる地域とその使用量を地理的、社会経済的、気候的条件から推定する。これにより、表流水や地下水涵養のほとんどない沿岸乾燥地での現実的な水資源シミュレーションが可能になった。
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