本研究課題は観測された交通行動や表明された交通需要には表れない交通行動に対する選好を誘出させ,その誘出させた選好を用いて社会的厚生を高めるメカニズムデザインを理論的・実験的アプローチに基づき,構築することを目的としたものである. 交通サービスオークションにおける希望出発(到着)時刻に着目した選好誘出メカニズムを提案することで,まず理論解析と数値シミュレーションを用いて,通常よりも利用者の負担が少ない表明数で真の選好を近似可能であること,またその結果として,社会的厚生を高めることを示した.次に,1650名を対象とした実験室実験によって,提案メカニズムが実行動ベースでも同様の結果であることを示した.
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