研究課題/領域番号 |
25820240
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
神田 佑亮 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60636463)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | モビリティマネジメント / ソーシャルキャピタル / 交通運用 |
研究実績の概要 |
研究2年目となる平成26年度は,持続可能なMM施策の展開に関する具体的手法やマネジメント手法等の構築と有効性の実践的検証に関し,島根県松江市,京都府・京都市,大阪府大阪市をフィールドに,行政の協力を仰ぎ,本来のコミュニケーション内容の高度化を図り,かつ行政以外の多様な主体の参画や,SNS等のソーシャルメディアを援用した新たな継続的なMM展開手法の構築を試みた.特に,MM施策の継続推進において,企画能力を有し,安定的にマネジメントできる組織の構築と運営が極めて重要と考えられることから,「人的資源」,「資金」,「組織間の協調関係」等に着目し,望ましい組織を検討し,上記フィールドで実際にMM推進組織の運営も試み,実証した. また,ソーシャルキャピタルや地域コミュニティに代表される「地域力」の向上は交通の諸問題の本質的な解決を図る上でも極めて重要であり,MM施策の対象群と非対象群間で,交通やコミュニティ,協力姿勢や利他的行動に対する意識の差異を把握するための調査を行い,ソーシャルキャピタルや地域コミュニティに寄与する効果や,その発現メカニズムを明確化することを目的に調査・分析を行い,MM施策の展開が,地域住民の行政施策への理解度を高め,協力意識を醸成することが実践的に明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
島根県松江市,京都府・京都市,大阪府大阪市をフィールドに,行政の協力を得ることができ,実証分析の環境が十分に整った.その上で各地でのMMの実践を通じ,新たな仕組みの試行やソーシャルキャピタルの醸成とその要因分析のためのデータ収集と分析を実施することができた. また,ソーシャルキャピタルや地域コミュニティに代表される「地域力」の向上と交通政策の成果を対象とした分析も実施しmMM施策の展開が,地域住民の行政施策への理解度を高め,協力意識を醸成することが実践的に明らかにすることができた.
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今後の研究の推進方策 |
研究3年目となる平成27年度は,これまでの研究成果をより深めるため,ソーシャルキャピタルやマネジメントシステムに関する分析をさらに深く行う. 加えて,本研究で検討・実証した長期的・継続的に展開するための具体的方法論・マネジメント方法について,都市交通コミュニケーション施策の長期展開に関する「MM施策マネジメント論」としてとりまとめ,併せて実務者が参照できる手引き等を作成する等実務における持続可能な施策展開へ貢献することを意識した研究成果のとりまとめを行う.
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