研究課題
ケーススタディ地域としている兵庫県西宮市生瀬地区では、2015年6月から住民運営型地域交通の運行が開始された。有期の実験運行時と無期の本格運行時を比較すると、利用者数が2割以上増加している。広報などによるサービスの認知が進んだことに加え、バスの運行の運行時刻に合わせるなどの生活の変化が生じたことも推測されるまた、本格運行では、住民組織が発行する広報誌への利用者数の掲載、タクシー運転手の提案による1週間前の利用者数を車内掲示など様々な主体で広報活動が行われているなど、地域活動や参加者のつながりの拡大が確認された。また、定性的ではあるが、地域の将来に向けた前向きな意向、地域内での会話の拡大がみられ、ソーシャルキャピタルの拡大を観測できた。周辺企業からの協賛金の集金、周辺市の中学校からの職場体験の受け入れなどの取り組みでも展開され、活動の広がりが確認され、住民運営型地域交通を発端としたソーシャルキャピタルの再生産を確認することができた。選択肢の拡大が利用者の利便の向上につながらない状態があるとの過程し、アンケート調査を行い分析した結果、選択肢数の増加と付帯情報の増加が同時に生じるとき、ストレスを増加させることがわかった。本研究で取り組む住民運営型地域交通への参加の促進においても、活動の種類を増やす際には、付帯情報の提供量を制御しなければ、選択時のストレスが増え、参加が妨げられる可能性が示されたバス会社のICカードから得られる利用履歴データの分析するなどによる参画を考慮し、データの分析・提供に積極的な事業者の特性を分析した。その結果、データの保管期間が長期で有り、属性などのデータの内容が豊富であるほどデータを分析する意向を向上させることがわかった。ICカードの利用履歴データの分析を促進する支援施策が明らかにでき、本研究が求める住民参加型地域交通への参画を拡大への知見となった。
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Journal of the Eastern Asia Society for Transportation Studies
巻: Vol.11 ページ: pp.1386-1402
運輸と経済
巻: 第75巻第6号 ページ: pp61-68
都市計画学論文集
巻: Vol.50 No.1 ページ: pp.148-153