本研究では,山口大学工学部の学生を対象に,カーシェアリング(CS)の利用可能性と効果について検証を行った。その結果、CSの利用によって移動の満足度が向上し,さらに今まで行かなかった場所へ行くようになるなどの移動機会が拡大する可能性が示唆された。 心理要因については,回答者数の制約等があり,統計的には有意な結果が得られなかった項目もあるものの,インタビュー調査からCSの利用によって地域への愛着や社交性にも良い影響を与える可能性があることが示された。 以上のように,地方都市の自動車非保有者にとって,CSの普及は移動の利便性が高まるだけでなく,生活が豊かになる可能性があると考えられる。
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