本研究は,森林流域から流出する溶存有機炭素量の推定を行うための,数値計算モデルの作成,および他の調査地への適用可能性を検討した。その特徴として,既存にある水文モデルに改良を加えたことと,土壌中の溶存有機炭素の移動過程を水文モデルと組み合わせたことにある。その結果,100ha程度であれば,適用モデルの精度は高いことも明らかになった。また,愛知県足助町にて新たな調査地を立ち上げ,そこで気象・水文観測,御内の水質調査も開始した。その結果,出水時にDOC濃度が上昇する同じ現象が観測されたことから,本研究で開発した溶存有機炭素流出モデルの適用が高いことが示唆された。
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