本研究では、都市下水及び海水を膜ろ過原水とする正浸透(FO)膜ろ過プロセスにおける膜ファウリング原因物質の特性をした。いずれの場合においても、微生物由来の高分子有機物(いわゆるバイオポリマー類)が主要な膜ファウリング原因物質であった。下水処理プロセスの検討においては、下水中に含まれるバイオポリマー類が模擬物質(アルギン酸ナトリウムなど)と比較して膜ファウリング発生ポテンシャルが高いことが明らかとなった。また、海水淡水化プロセスの検討では、膜ファウリング発生ポテンシャルは有機物の総量からでは説明できないことを見出した。
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