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2014 年度 実績報告書

非線形性を有する水平構面の増幅効果を考慮した伝統的木造建築の地震応答評価

研究課題

研究課題/領域番号 25820271
研究機関東京理科大学

研究代表者

佐藤 利昭  東京理科大学, 理工学部, 助教 (00637887)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード木質構造 / 伝統的木造建築 / 非線形性 / 粘弾性 / 強震観測 / 剛性評価 / システム同定 / ヘルスモニタリング
研究実績の概要

本研究は, 伝統的木造建築の耐震性能を評価する上で, 実務設計では検討が不十分となる応答増幅効果の影響を調べたもので, 主に水平構面の剛性評価に着目して検討を進めたものである。剛性評価にあたり, 本研究では次の 2 つのアプローチから検討を進め, 各々で知見が得られた。1 つは木材間の摩擦特性の評価を目的とした検討, もう 1 つは強震観測に基づく実構造物の剛性評価を試みた検討である。以下, 各々のアプローチから得られた成果を順に述べる。
まず前者の摩擦特性は, 順問題として剛性評価を試みた検討に位置づけられる。木材の摩擦に関する力学モデルの構築を試みたが, 実験的検討を進めるにつれ, 摩擦特性に木材の粘弾性が関係する可能性が高まり, その評価なしでは原因の究明に至らないため, 粘弾性に関する検討を優先的に進めた。検討の結果, 既往研究で得られた粘弾性に関する知見を再認すると共に, 境界条件の差異によって異なる特性が得られることを確認し, 粘弾性の評価においても摩擦特性の把握が不可欠であることを示唆した。この課題は, 本年度以降も継続する計画である。
後者とした強震観測に基づく検討は, いわゆる逆問題として剛性評価を試みたもので, 得られた記録の一部を対象とした分析結果を既に発表した。観測記録に対してモニタリング技術の 1 つである部分空間法を適用し, 1 入力 5 出力系のシステムと各部の剛性を対応させ, 各部の非線形性の影響を表す剛性の経時変化を取り出すことに成功した。設定した力学モデルの改善等の課題も残るが, 伝統的木造建築の強震観測に基づく分析としては, 既往研究にない推定精度で非線形性を抽出できたことから, 今後も未発表の記録の分析を続け, 続報として発表する計画である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 伝統的木造建築の動特性評価 強震観測と常時微動の関係性について2014

    • 著者名/発表者名
      佐藤利昭, 永野正行, 望月英二, 肥田剛典
    • 学会等名
      日本建築学会
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      2014-09-12 – 2014-09-14
  • [学会発表] 木造住宅の長期的な耐震安全性に関する研究 木-ボルト接合の応力緩和試験 その 32014

    • 著者名/発表者名
      中島裕貴, 佐藤利昭, 永野正行
    • 学会等名
      日本建築学会
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      2014-09-12 – 2014-09-14
  • [学会発表] Seismic performance of a wooden temple inferred from earthquake observation and seismic diagnosis2014

    • 著者名/発表者名
      Sato, T., Nagano, M. and Mochizuki, E.
    • 学会等名
      World Conference on Timber Engineering 2014
    • 発表場所
      Quebec, Canada
    • 年月日
      2014-08-10 – 2014-08-14

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公開日: 2016-06-01  

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